タバコをよく吸う友人に言わせると、彼らは寂しさを紛らわせたり、孤獨(dú)から逃避するためにタバコを吸っているのだという。しかし、タバコを吸うことで、本當(dāng)に孤獨(dú)感は和らぐのだろうか?科普中國(guó)が報(bào)じた。
タバコを吸うと寂しさや孤獨(dú)、イライラが増す可能性
タバコを吸うと、ニコチンが肺を通して脳に達(dá)し、ニコチン受容體と結(jié)合して、ドーパミンが放出され、快感が生じる。しかし、その放出されたドーパミンが消失すると、喫煙者の気分は落ち込みがちになり、脳はもっとタバコを吸って、たくさんのニコチンを吸収し、ドーパミンの放出を維持しようと要求するようになり、それに相応して気分がさらに落ち込むことになる。こうした悪循環(huán)に陥ると、イライラしたり、気分が落ち込んだりする。
しかも脳は、ニコチンの刺激を受け続けると、不可逆的な変化を起こす。ある興味深い研究結(jié)果によると、喫煙者が美味しい料理の寫(xiě)真を見(jiàn)た時(shí)の脳の反応は非喫煙者よりも弱かった。また、別の研究では、急性心筋梗塞を起こした場(chǎng)合、喫煙者のほうが気分が落ち込んだり、イライラしたりしやすいことが分かっている。
青春期のニコチン曝露は脳に悪影響の可能性も
情動(dòng)の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動(dòng)に関與している大脳辺縁系は、思春期?青少年期に少しずつ成熟していくため、ニコチンの影響を長(zhǎng)期にわたって受けやすい。青春期にニコチン性アセチルコリン受容體が異常な刺激を受けると、ニューロンのシグナル伝達(dá)に持続的な変化が生じやすい。
多くの動(dòng)物実験を通じて、青春期に慢性的にニコチンに曝露すると、學(xué)習(xí)や認(rèn)知に長(zhǎng)期的な悪影響を及ぼし、集中力や記憶力が低下したり、衝動(dòng)的になったり、イライラしやすくなったりすることが分かっている。
タバコを吸うと逆に増す孤獨(dú)感
醫(yī)學(xué)雑誌「ランセット」に掲載された、約9000人を?qū)澫螭?2年間行った追跡調(diào)査の結(jié)果によると、タバコを吸わない人と比べると、吸う人は社會(huì)的により孤立しやすく、孤獨(dú)感をより強(qiáng)く感じることが分かった。喫煙者は家族との會(huì)話(huà)が少なく、社交的活動(dòng)に參加することが少なく、喫煙歴が長(zhǎng)くなるほど、そのような狀況が深刻化するという。
タバコ依存と抑うつといったネガティブな感情は因果関係にあり、悪循環(huán)が生じやすい。実際には、喫煙者自身に気分が落ち込んだり、イライラしたりという癥狀が出るだけでなく、副流煙を吸ってしまう人にも悪影響を及ぼす。例えば、多くの研究で、妊婦が副流煙を吸うと、気分が落ち込んだり、イライラしたりしやすいことが分かっている。
中國(guó)には、「酒の力を借りて、寂しさを紛らわそうとすると、寂しさが増す」という言葉がある。実際には、タバコも同じで、それで寂しさを紛らわせようとすると、逆に寂しさが増してしまう。そのため1日も早く禁煙し、社交的活動(dòng)にできるだけ參加したり、心療內(nèi)科の醫(yī)師に相談するというのが、寂しさを解消する正しい方法と言えるだろう。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2022年7月19日