中國では6月が卒業(yè)の季節(jié)。まもなく學業(yè)を終える學生にとっては、就職に向けたラストスパートがさらに加速するシーズンだが、近年は大學を卒業(yè)した程度では容易には就職口が見つからないという厳しい就職難の時代だ。このほど、在學中に65もの資格を取得した優(yōu)秀な卒業(yè)見込み生が、いまだに就職が決まらないとして話題になっている。

河南省の安陽工學院を6月に卒業(yè)見込みの孫夢濤（スン?モンタオ）さん。熱心に學問に勵み、在學中に6つの國家資格を含む65もの資格を取得した。しかし、彼は成績のみが優(yōu)秀な學生ではなく、実力も伴う學生だった。入學間もない19歳の時に、同校の苦學生に向けて企業(yè)から奨學金を募る団體を設立。その成果が見込まれ、學內のボランティア組織の隊長に任命されると、3年間で40萬元（約770萬円）の寄付金を集めた。さらにこの活躍が省內の大企業(yè)の経営者の目に留まり、彼のアシスタントとして就業(yè)することに。その後もメディア企業(yè)を立ち上げ、學生起業(yè)にも成功した。

しかし、彼は卒業(yè)を機に一度、就職する道を選ぶ。企業(yè)勤めを通じて會社経営の基礎を學びたいとの考えからだ。彼がこれまでに企業(yè)に送った履歴書は50通。しかし、ただの1社からも面接の連絡が來ないという。思いもよらぬ苦境。一學年上の先輩に相談を持ちかけると、「就職には何より學歴が物を言う」とのアドバイスを受けた。この先輩は大學卒業(yè)までにやはり一度も面接に漕ぎつけぬまま就職に失敗し、そのまま大學院に進學。するとあれよあれよという間に面接のオファーが入り、破格の年収で世界の500強企業(yè)に就職が決まったのだという。

自分の努力してきた4年間は何だったのか？孫さんは納得いかぬ現実を思うと、次の一歩が踏み出せないでいるという。 

レコードチャイナ　2015年5月12日