曹黒毛さんの後ろ姿(映畫「大寒」の微博公式アカウントの畫像)。
「慰安婦」をテーマにした映畫「大寒」の微博(ウェイボー)公式アカウントは7月31日、元慰安婦の曹黒毛さんが亡くなったと発表した。これにより、中國大陸部で生存する元慰安婦はわずか15人となった。中國新聞網(wǎng)が報じた。
7月31日の取材で、曹さんは同月24日午前10時ごろ、山西省盂県にある自宅で亡くなったことが分かった。享年96歳だった。
曹黒毛さん(映畫「大寒」の微博公式アカウントの畫像)。
中國「慰安婦」問題研究センターのセンター長を務める上海師範大學の蘇智良教授は取材に対して、「今年7月に新たに確認された元慰安婦の姉妹2人を加えて、中國大陸部で登録されている元慰安婦は殘り15人となった」と明らかにした。
ここ35年、「中國慰安婦民間調査の第一人者」と呼ばれている張雙兵さんは、元慰安婦の女性が亡くなるたびに、哀悼の言葉を書いており、曹さんについては、「曹さんが亡くなり、本當に心が痛む。無念を晴らすことができず、申し訳ない」としたほか、「1941年秋、19歳だった曹さんは舊日本軍に捕まり、兵士の相手をさせられて二度も妊娠した。二度目の妊娠では出産したものの、曹さんの母親が赤ちゃんを川に捨てた。その後、子供を産めない體になった曹さんは老後に子供を2人引き取り、ようやく安らかな晩年を送れるようになった」と悲慘な境遇を説明する。
今年の春節(jié)(舊正月)を過ごす曹黒毛さん(映畫「大寒」の微博公式アカウントの畫像)。
これで、張さんが35年の歳月をかけて調査してきた元慰安婦127人全員がこの世を去った。
「元慰安婦の無念を晴らすために、今後も労を惜しまず、力を盡くしていきたい。日本政府と徹底的に戦い、死者の霊を慰めたい。曹さん、安らかに眠ってください」と張さん。
計畫から完成に至るまで6年の歳月を費やし、元慰安婦127人を取材してきた映畫「大寒」は、今年1月の節(jié)気?大寒の日に公開されたが、他の作品の上映との兼ね合いから興行収入は143萬1千元(約2347萬円)にとどまった。ただ、今月14日に中國全土での再上映が予定されている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2018年8月3日
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