中國が新型コロナウイルスによる肺炎への対策で目に見える成果を上げ、世界保健機(jī)関（WHO）のテドロス?アドノム事務(wù)局長が、「感染癥は終息に向かっている」と判斷したその頃、中國を除く世界では感染が大規(guī)模に広がるとともに激しさを増していた。（文：何偉文?中國人民大學(xué)重陽金融研究院シニア研究員。環(huán)球網(wǎng)に掲載）

感染の急速な拡大が世界の資本市場にパニックを引き起こし、株式市場は大暴落した。米國ではウォール街の株式市場が2週連続で暴落し、89歳になる「投資の神様」ウォーレン?バフェット氏は、「これほどの狀況は今までに見たことがない」と嘆いた。米連邦準(zhǔn)備制度理事會（FRB）は50ベーシスポイントの緊急利下げを決定し、これは2001年の米同時多発テロ（9.11）と2008年の國際金融危機(jī)以降で初の例外的な対応だ。13日にはトランプ米大統(tǒng)領(lǐng)が國家非常事態(tài)を宣言し、株式市場はこれを受けて短期的に回復(fù)上昇したが、見通しは引き続き暗いままだ。

経済協(xié)力開発機(jī)構(gòu)（OECD）が2日に発表した報告書によると、中國の感染癥が第1四半期に抑制されれば、2020年の世界の國內(nèi)総生産（GDP）成長率は2.4％に達(dá)し、21年は3.25％を回復(fù)する。新型肺炎がさらに長い時間続き、さらに広い範(fàn)囲へ拡大すれば、今年のグローバル経済成長率は1.5％に低下するという。現(xiàn)在、中國では感染癥が予想よりも早く抑制されており、目下の経済に影響しているのは世界的な感染の拡大だ。このことは中國経済に2回目の打撃を與えるだろうか。

世界的な感染拡大が中國経済にどれほどの影響を與えるかについては、次の3つの要因をみなければならない。

1つ目は、感染癥拡大の規(guī)模と持続時間だ。感染はさまざまな國に広がるため、強(qiáng)力で、すぐに効果が現(xiàn)れ、世界が協(xié)調(diào)一致できる隔離メカニズムを構(gòu)築することは難しい。世界規(guī)模で感染が拡大しており、中國のように急速にターニングポイントを迎えることは難しく、感染は夏まで続く可能性が高い。

2つ目は、世界の主要國の経済的な耐久力と金融市場の混亂がどれほどのものかだ。19年は世界のGDP成長率が08年の金融危機(jī)以降で最も低い年になった。米國が相対的に好調(diào)なほかは、歐州も日本も1％前後にとどまり、韓國は2％前後だった。今年初めに出現(xiàn)した弱い回復(fù)の兆しが感染癥拡大であっという間に見えなくなった。米國でさえ、経済の弱さが蓄積している。FRB前議長のジャネット?イエレン氏は、「感染癥が大規(guī)模に拡大すれば、米國経済は衰退に陥る可能性がある」と予想した。米國経済に衰退の可能性があるため、感染癥が経済に與える打撃への先進(jìn)國の耐久力は一般的に強(qiáng)くないといえる。感染が引き続き拡大し、持続すれば、世界経済がさらに下ぶれすることは避けられない。より重要なことは、感染癥の拡大、原油市場における「価格戦爭」、これに先進(jìn)國が感染癥対策でそろって採用する量的緩和政策が加わって、金融リスクが積み上がり、広い範(fàn)囲で混亂が生じる可能性があることだ。

3つ目は、グローバル供給チェーンがどれくらい打撃を受けるかだ。グローバル供給チェーンに対する感染癥の打撃が特に目立つのは自動車と電子の分野だ。日韓と中國の分業(yè)體制は中國に特に直接的な影響を與える。韓國は世界のRAM（ランダムアクセスメモリ）の70％を生産しており、中國へのDRAM（ダイナミックランダムアクセスメモリ）の主な供給國だ。日本は世界の半導(dǎo)體コア材料であるシリコンウエハー半數(shù)の生産能力を持ち、中國への主な供給國でもある。中國は多くの自動車コア部品とコア設(shè)備を日韓から輸入している。歐州連合（EU）に英國を加えた歐州はすでに米國を抜き、中國の最大の輸出市場になった。よって中國以外の感染癥の拡大とそれがもたらす生産の中斷は、供給チェーンの斷裂につながり、中國経済に直接的な影響を與えることは間違いない。

この3つの要因は中國にとって重大な挑戦となるが、今はまだ具體的な予測を述べる時期ではない。

3つの積極的な対応