春節(jié)(舊正月、今年は1月25日)前後から急速に感染が広がった新型コロナウイルス。中國各地で春節(jié)休暇が延長され、學(xué)校は新學(xué)期開始を遅らせたり、オンライン授業(yè)に切り替えるといった対策がとられている。企業(yè)や工場も営業(yè)や操業(yè)開始時期の延期やテレワークへの切り替えを行い、2月下旬からは段階的に出勤や操業(yè)も始まっている。人民網(wǎng)ではこうした狀況の中、中國で生活や仕事を続けている日本人を取材し、彼らの目を通して新型コロナウイルス影響下での日々を紹介していく。
松井美幸さん
「災(zāi)害の中で改めて互いに知った日本と中國の交流の長さ」
北京に住んで24年目の松井美幸さんは、中國語教育専攻の博士課程に在籍中の學(xué)生、大學(xué)講師、茶道講師、そして翻訳者と、幾つもの「顔」を持っている。実はもともと、新型コロナウイルス肺炎の感染とは関係なく、勉強に専念するためこの冬は自宅に引きこもるつもりだったという松井さんだが、オンライン授業(yè)を受ける立場と行う立場、そして在宅勤務(wù)とすっかり「新型コロナウイルス自宅待機モード」の日々となっている。
久しぶりの指導(dǎo)教官の「マシンガントーク」に大いに刺激
現(xiàn)在、博士課程に在籍している松井さんだが、すでに必要単位は取得済みのため、學(xué)生としての授業(yè)はないのだという。ただ指導(dǎo)教官の授業(yè)だけはオンラインで受けているということで、「久しぶりに先生の2時間ぶっ通しマシンガントークを聞いて、やはりとても刺激になり、先生には會って授業(yè)を受けたい!と思ってしまう」とオンライン授業(yè)を受ける側(cè)としては満喫している様子がうかがわれる。
寫真や映像を使い雰囲気を感じられる授業(yè)づくり
一方、大學(xué)講師としてオンライン授業(yè)を行う側(cè)でもある松井さん。もともと3月からの始業(yè)予定だったため、日程的には変更はなかったものの、授業(yè)がオンライン授業(yè)に切り替えられたため、2月中旬からその準(zhǔn)備にあたふたすることになったという。3月から始まったオンライン授業(yè)では、日本語會話の授業(yè)をオンラインでできるのか最初は不安だったそうだが、學(xué)生たちもネット環(huán)境を整え、なんとか授業(yè)を進めているとした。
また大學(xué)での茶道の授業(yè)も本來ならば大學(xué)構(gòu)內(nèi)にある裏千家の茶室に正座して講義を聞いてもらい、茶道の実技も指導(dǎo)しているが、オンライン授業(yè)に切り替えられたため、実技の指導(dǎo)はできず、その代わり茶室や茶道の點前の寫真や映像を見せるなどして、少しでも茶室の雰囲気を感じてもらえるよう工夫をしているそうだ。
茶道の活動は休講中、翻訳業(yè)は継続中
茶道裏千家北京同好會の講師でもある松井さん。その授業(yè)は茶室での対面方式となるため、現(xiàn)在は殘念ながら授業(yè)ができない狀態(tài)が続いているという。一方の翻訳業(yè)は、もともと在宅で行っていたこともあり、出勤等に影響はでていない。むしろこの機會にずっと放置していたホームページの日本語版を再構(gòu)築したいといった中國企業(yè)からの依頼なども入っているのだという。
災(zāi)害の中で改めて互いに知った日本と中國の交流の長さ
今回日本のHSKの事務(wù)所が中國に寄贈した荷物に書かれ、中國でも大いに注目された「山川異域、風(fēng)月同天」。この件は中國の言語學(xué)の教師たちの間でも話題になったそうで、「なぜ日本人がこのような漢詩を知っているのか、作れるのか、に始まり、日本の災(zāi)害時の言語政策なども中國に紹介され、改めて日本と中國との交流が長く続いてきたこと、言語面でも深いつながりがあったこと、日本に対する認(rèn)識を少し改めた中國人もいたことを雙方が認(rèn)識したように思えた。これは災(zāi)難の中でも良かったな、と感じられたささやかな事件だった」とした。
松井さんから武漢と中國の皆さんへの応援メッセージ
ネットで武漢の病院等での深刻な狀況を見ると心が痛みます。そんな大変な狀況でも生活インフラが動いているということは各所で働いてくださっている方がたくさんいらっしゃるということで、大変な狀況の下でも日々働いてくださっている皆様に感謝しかありません。一日でも早く収束に向かいますよう祈っています。(文?玄番登史江)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年3月4日