12月15日、北京大學(xué)國家発展研究院が開催した第4回國家発展フォーラムにおいて、同研究院と米シンクタンクのブルッキングス研究所が共同で報告書「中國2049」を発表した。同研究院の黃益平副院長がスピーチを行い、「これからの30年間、中國はコスト水準(zhǔn)の急速な上昇、人口高齢化、反グローバリゼーションといった挑戦に直面する。これらの挑戦に対処するカギは、結(jié)局のところ、やはり持続的に発展できるか、イノベーションを遂げられるか、産業(yè)の高度化を達(dá)成できるかどうかにある」と述べた。
同報告書の主な內(nèi)容は次の通り。
コスト水準(zhǔn)が急速上昇
1978年には、中國の國內(nèi)総生産(GDP)の一人あたり平均は230ドル(1ドルは約109.6円)だった。これはつまり當(dāng)時の中國は世界で非常に貧しい國の1つだったということだ。よって中國は発展プロセスの中で低コストという優(yōu)位性を備え、中國が生産する製品には一定の競爭力が備わっていた。07年になると、所得水準(zhǔn)が大幅に上昇し、平均GDPは2600ドルになったが、なお中低所得の水準(zhǔn)だった。昨年はついに1萬ドルに迫り、中高所得の水準(zhǔn)に達(dá)した。中國のコスト水準(zhǔn)の上昇は私たちが今日突き當(dāng)たった非常に大きな問題だ。
人口高齢化
私たちは過去には確かに人口ボーナスがあり、改革開放がスタートしてから従屬人口指數(shù)が下がり続け、10年前後に底に達(dá)して約3分の1になった。現(xiàn)時點(diǎn)での予想では、この割合は49年には3分の2に戻る可能性があり、わかりやすく言えば労働力人口3人で高齢者か子どもを2人養(yǎng)うことになる。そうなれば中國の経済発展に多くの新たな挑戦をもたらし、特に消費(fèi)ニーズ、労働力の供給、貯蓄の供給、社會保障システムの要求に影響すると予想される。これほど大きな挑戦は、過去にはみられなかったものだ。
反グローバリゼーションの政策または思考トレンド
第二次世界大戦以降、グローバル市場では実際の関稅率が低下を続けた。ただ殘念なことに、ここ3年間は市場の開放レベルが急速に低下している。未來がどうなるか、それにはなお大きな不確定性が存在する。中國はグローバル化の受益者の1人だが、未來のグローバルファイナンス、國際経済システムがそれほど開放的でなくなれば、私たちは新たな圧力にさらされることになる。
環(huán)境と炭素排出の圧力
中國経済は未來において、環(huán)境問題や炭素排出問題といったいくつかの挑戦に直面することも予想される。未來にこうした問題にどのように対処するか。客観的に言えば、私たちが今突き當(dāng)たっている問題は、環(huán)境保護(hù)政策と炭素排出政策が今や中國経済の今後の成長を決定するだけでなく、気候変動とグローバル経済環(huán)境にも大きな影響を與える可能性があるものになっているということだ。
年金資金の不足
高齢化が私たちの直面しなければならないまったく新しい挑戦になる可能性があり、高齢化の問題において最も対処が難しいと思われるのは年金資金の不足だ。さきに述べた従屬人口指數(shù)が3分の1から3分の2に上昇するということは、高齢者がますます多くなり、なおかつ私たちの將來の壽命がますます長くなり、高齢者人口が中國社會に占める割合が上昇を続け、非常に多くの年金資金が必要になるということを意味する。私たちにはいろいろな方法が考えられるが、おそらく1つの方向性だけは変えられない。それはマクロレベルの課稅が未來には上昇こそすれ、低下することはないという可能性だ。養(yǎng)わなければならない人口がどんどん増えるからだ。
ロボットが人間に代わる
労働力の供給という角度からみると、この問題はそれほど悲観的ではないともいえる。18年から49年にかけて、中國の労働力人口は1億7千萬人から2億6千萬人減少するが、ロボットと人工知能(AI)が2億-3億3千萬人分の人間の代わりになるという。豊かになる前に老いるという問題に直面するが、私たちはインダストリー4.0の歩みに追いつけば、労働力人口の供給減少問題に対処できるかもしれない。もちろんこうした代替可能性は業(yè)界によって非常に大きな開きがある。代替が比較的容易なのは農(nóng)業(yè)、製造業(yè)、交通輸送、倉庫?貯蔵などで、比較的難しいのは教育、科學(xué)研究、サービス産業(yè)、衛(wèi)生、社會保障、社會福祉などだ。自分の働く業(yè)界がロボットに容易に取って代わられそうなら、人に先んじてチャンスをつかまえなければならない。
都市化率は上昇が待たれる
人口高齢化が全體的な消費(fèi)ニーズを弱めるが、現(xiàn)在の狀況をみると都市部住民の平均消費(fèi)額は農(nóng)村部平均のおよそ2倍から3倍になる。現(xiàn)在の農(nóng)民の一部が都市部住民になることができれば、消費(fèi)がより大幅に発展することになる。私たちが都市化率を今日の56%から30年後に本當(dāng)に80%に引き上げることができれば、中國の消費(fèi)は引き続き健全な成長を維持し、人口高齢化がもたらす影響を完全に相殺することができる。
イノベーションは低いレベル 科學(xué)研究水準(zhǔn)は持続的な向上推進(jìn)が必要
こうしたあらゆる挑戦の最後に突き當(dāng)たるのは、実はイノベーションをめぐる挑戦だ。所得水準(zhǔn)とコスト水準(zhǔn)の高低は、結(jié)局のところ、持続的に発展できるか、イノベーションを遂げられるか、産業(yè)の高度化を達(dá)成できるかどうかにある。60年には世界に中所得のエコノミーが101あったが、50年後の今も88エコノミーが同じ水準(zhǔn)にとどまっている。大部分の國がなかなか上昇できない原因や上昇できた國との違いは何なのかといえば、それは低コストの優(yōu)位性が失われた後でイノベーションを遂げられたかどうかにある。
中國にとっても同じで、これから持続的に成長できるかどうかは、イノベーションを遂げられるかどうかによって決まる。私たちは一部の総量の指標(biāo)では非常に速く他國に追いつき、追い越したが、イノベーションの多くは低いレベルにとどまり、応用のイノベーションが比較的多く、基礎(chǔ)研究は比較的少ない。これは中國が依然として中所得國にとどまることの現(xiàn)れでもある。私たちは米國や歐州の科學(xué)研究力を全方位的に追いつき追い越せるなどと勝手に想像してはいけない。そのような考え方には現(xiàn)実味がない。必要なことは、今日の科學(xué)研究水準(zhǔn)を基礎(chǔ)として、その上で引き続き科學(xué)研究を前進(jìn)させていくことだ。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2019年12月18日