四川省成都市の高昇橋東路にある火鍋店の前の目立つ場所には、近くで働く屋外労働者などに無料で冷たいミネラルウォーターを提供する幅2メートルの冷蔵庫が置かれている。四川日報が報じた。
約6年の間に、自発的にここにミネラルウォーターを寄付する市民も増え、次第に周辺で働く屋外労働者の「憩いの場」になりつつある。店のオーナーの黃明さんは、「店がある限り、冷蔵庫を置き続け、愛を伝え続けたい」としている。
ある心ある機関が寄贈してくれたという現(xiàn)在の大型冷蔵庫。
冷蔵庫が置かれるようになったのは2017年の夏に、この店が小さなテーブルを設(shè)置して、無料でお茶などを提供するようになったのがきっかけだ。
當時、清掃員たちがしょっちゅう道端で休憩しているのを目にした黃さんが、彼らに店內(nèi)で無料でお茶や麺料理を提供しようとしたところ、清掃員たちは店內(nèi)にたくさんの客がいるのを見て、申し訳なさそうに躊躇していたので、外にテーブルを置き、「自由に飲んでください」と書いてミネラルウォーターを提供し始めたのだという。
夏は冷たいドリンクを、冬は生姜茶を提供するようになり、口コミでそれが少しずつ広がると、次第に周辺で働く屋外労働者や公共バスの運転手の「憩いの場」となっていった。そして小さな木製のテーブルが、店で使っていなかった縦型の冷蔵庫に変わり、現(xiàn)在は300本以上のミネラルウォーターが入る幅2メートルの大型冷蔵庫へと変わった。
火鍋店の賈雪峰店長は、「朝9時の開店時には、廚房スタッフがミネラルウォーターの準備を整えている。最近は暑さが厳しいので、午後3時ごろには、ミネラルウォーターを補充するようにしている。この店で10年働いているが、私も店員たちも、オーナーのこの行いをとても支持している。オーナーは以前、他の人から助けられたことがあったので、愛のバトンをつなぎたいと思っているのだと思う」と話す。
ミネラルウォーターを寄付する人も現(xiàn)れるように
昨年の夏から、賈店長は朝、冷蔵庫を開けた時、ミネラルウォーターが増えているのをしばしば目にするようになったという。それについて、「不思議なことではない。私たちのやっていることを知る人が増え、毎週のようにミネラルウォーターを寄付してくれたり、店まで來ることができない人は、お金を寄付してくれる人もいるからだ」と話す。
また黃さんの妻?趙春艶さんは、印象深かった2つのエピソードについて話してくれた。
冷蔵庫の橫には、「無料で麺料理提供。もし困難に直面していたり、成都で仕事が見つけられていない人は、是非店に入って、スタッフに『麺を1杯下さい』と伝えてください。そして食事を終えたらそのままお帰り下さい。代金のことはお気になさらずに」というメッセージが掲示されている。
數(shù)日前、若い男性が通りかかって、店に入ると小さな聲で「麺を1杯下さい」とスタッフに伝えたという?!副摔鲜耸陇蜣oめたばかりで、給料をまだもらえず、新しい仕事もまだ見つかっていなかった。無料の麺料理を數(shù)日食べた後、その男性は仕事を見つけ、給料を手にした彼はわざわざもう一度店にやってきて、買ってきたミネラルウォーター數(shù)ケースを冷蔵庫に入れていった」という。
ある市民が殘したメッセージ。
もう1つのエピソードも忘れ難いものだという。趙さんによると、ある日の正午、1人の市民がやって來て、「麺を1杯下さい」とスタッフに伝え、食べ終わると、すぐに店を出ていった。しかしスタッフがテーブルの上を片付けようとしたところ、お碗の下に、20元(1元は約19.2円)と共に、「今まで食べた中で、一番おいしい麺でした。生活は本當に大変ですが、愛のバトンをつなぎましょう」と書かれたメモが置かれていたという。
このように、?「冷蔵庫」に詰まっているのは、単なるミネラルウォーターに留まらない。こうした愛のバトンがずっとつなげられていってほしいものだ。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2023年7月14日