江紫辰さんは1994年に中國(guó)で生まれ、今年の9月に「中國(guó)を侵略した日本第6師団の南京戦役及びその暴行に関する実録」という自身初の書籍を出版した。

出版を擔(dān)當(dāng)した中國(guó)重慶出版社の劉嘉主任は、これまで出版されてきた抗日戦爭(zhēng)の歴史を研究する書籍のほとんどは中國(guó)軍の史料を使用し、中國(guó)人の視點(diǎn)から抗日戦爭(zhēng)を見るものであったが、これに対し、江さんが日本軍の戦爭(zhēng)史料を大量に収集し、日本軍史料の角度から日本軍の暴行を暴露したことは、抗日戦爭(zhēng)史の研究における空白部分を埋めたといえる。

▽日本軍の戦爭(zhēng)史料で日本軍の暴行を暴露

2009年、當(dāng)時(shí)15歳の江さんはテレビで中國(guó)の抗日戦爭(zhēng)を語るドキュメンタリーを偶然見て、その見知らぬ戦爭(zhēng)や人物に好奇心を持った。彼は一年かけて中國(guó)の抗日史料を大量に読み込んだあと、友達(dá)に頼んで日本軍の戦爭(zhēng)史料を収集?購(gòu)買し始めた。江さんを激しく憤らせたのは、一部の日本軍の戦爭(zhēng)史料が侵略戦爭(zhēng)を美化して南京大虐殺の事実を歪曲していたことだ。

1937年の南京戦役の期間中、2萬人以上の日本第6師団（熊本師団とも呼ばれる）は谷壽夫団長(zhǎng)の許可の下で、南京の數(shù)十萬人の市民を虐殺した。日本の降伏後、乙級(jí)戦犯として南京で裁判を受け銃殺刑に処された谷壽夫だが、1960年代に日本が出版した「熊本兵団戦史」という本の第二巻「熊本兵団戦史―支那事変」は、第6師団や谷壽夫団長(zhǎng)が無罪だと指摘した。

南京大虐殺について詳細(xì)かつ正確に記録した『揚(yáng)子江が哭いている ―熊本第六師団大陸出兵の記録』という本で、第6師団第13連隊(duì)の真田一介は、「日本軍は南京城を攻め始めてから占領(lǐng)するまで、ほとんど毎日城內(nèi)外で虐殺をしていた。虐殺とは、すべての住宅を漏らすことなく燃やし、すべての市民を殺すということだ」と回想している。

▽抗日戦爭(zhēng)をミクロな視點(diǎn)から考える

江さんがこれらの史料を研究する際に、日本軍の死亡者數(shù)を少なめにすることで、日本軍による虐殺の真相を隠し、中國(guó)軍の抗日戦爭(zhēng)の成果を否定する史料も存在していることに気づいた。

靖國(guó)神社が提供する戦沒リストを記載している『第47師団史』という本では、第47師団の403人が戦沒したとされているが、『弾部隊(duì)?wèi)橛洝护趣いΡ兢摔ⅳ肴毡拒姢伪郡恧筏票４妞筏骏辚攻趣摔瑜毪?、?7師団の131連隊(duì)だけで625人が戦死した。江さんは、「連隊(duì)の死亡者數(shù)が師団よりも多いため、靖國(guó)神社のデータが明らかに捏造したものだと見られる」としている。

一方、中國(guó)軍人が抗日戦爭(zhēng)に現(xiàn)れた勇ましい姿に、日本軍さえも感服したという資料もある?！耗暇┳鲬椁握嫦啜D熊本第六師団戦記』には、日本軍は南京戦役後に戦沒した中國(guó)軍人のために墓碑を立て、さらに、坂井徳太郎が、「敵ではあったが、祖國(guó)を守るために戦沒した人を尊敬すべきだ」と語ったと記されている。

劉嘉氏は、これまでの抗戦史料では連隊(duì)に関するものが不足していたが、江さんが収集した史料は抗日戦爭(zhēng)をミクロな視點(diǎn)から考えることを可能にしたと語った。

▽抗日戦爭(zhēng)に參加した中國(guó)軍人の勇ましさを覚えてもらいたい

2015年、當(dāng)時(shí)21歳だった江さんは友達(dá)の呉さんと共に、南京防衛(wèi)戦に関する本を完成させたが、結(jié)局50社ほどの出版社に斷られた。ネットユーザーは、「書いた以上は、ほかの中國(guó)人に伝えるべきだ。斷られても何の損もない。出版される日が必ず來る」と彼らに勵(lì)ましのコメントを寄せた。

その後、五ヶ月を経て、32萬字の「中國(guó)を侵略した日本第6師団の南京戦役及びその暴行に関する実録」が出版された。多くの民間の抗戦史研究者と接觸した経験のある劉嘉氏が、この本に隠れた価値を見出した。それは、日本軍の戦爭(zhēng)史料を用いて、南京大虐殺への日本右翼勢(shì)力の否定を反撃することが、非常に説得力があるということだ。

現(xiàn)在、淞滬會(huì)戦と百団大戦の歴史に関して最も全面的に研究された本を出版し、中國(guó)人に中國(guó)軍人の勇ましい姿を覚えてもらうという大きな夢(mèng)を抱いている江さん（23）は、數(shù)ヶ月後、「南京防衛(wèi)戦全史」を出版する予定だ。これで彼は夢(mèng)に向かって一歩近づくことができたといえる。（編集HQ） 

「人民網(wǎng)日本語版」2017年9月20日