74歳さんになる武田英文さんが甘粛省を訪問するのは、これで26回目。敦煌ゴビ砂漠の胡楊林が青々とまっすぐに伸びている様子を目にし、武田さんは9月1日、東京に戻る前に、「甘粛省の緑化事業(yè)は、次の代にも伝えていかなければならない」と再び力強(qiáng)く語った。中國新聞社が報(bào)じた。

「2004年に初めて蘭州を訪れた時(shí)、飛行機(jī)を降りた眼の前には、黃土で覆われた荒れ果てた禿げ山が広がっていた。日本では考えられないような風(fēng)景だった」と取材に答える武田さんは、當(dāng)時(shí)を思い出しながら語り、「その時(shí)から、この地での植樹造林を進(jìn)め、荒れ果てた山に緑を取り戻そうと決心した」とした。

武田さんは當(dāng)時(shí)、秋田県林業(yè)育成協(xié)會(huì)の會(huì)長だった。その時(shí)から15年間にもわたって努力を続け、日本で集めた寄付金約800萬元（1元は約14.83円）を、甘粛省蘭州市南北両山?敦煌陽関鎮(zhèn)?天水秦安県の各地に分配して約533ヘクタールを造林し、140萬本以上の苗木を植えた。

「多くの人が私に、『甘粛省で1株の樹木を育てることは、子供1人を育てるより大変だ』と進(jìn)言してくれた。あとになって、それが確かに本當(dāng)だと感じたし、一度は自信を失いかけたこともあったが、甘粛省の人々の情熱のおかげで何とか続けることができた」と武田さん。

武田さんは古希を越えた高齢にもかかわらず、非常にエネルギッシュで、緑化事業(yè)のプロセスを?qū)懻妞怯涘hし、パワーポイントを作成し、日本で寄付金を募る際のプレゼンテーションでしばしば使用しているという。

「ここでの植樹がどうしてこれほど難しいのか？それは、山に水がなく、ふもとから上に水を引くか、地下水を引いて、スプリンクラー灌漑を行うしか方法がないからだ。それにこれらの設(shè)備は非常に高価。敦煌の年平均降水量は約39.9ミリだが、蒸発量は2396.6ミリに上るため、最も寒さに強(qiáng)い胡楊樹しか植えることができない。天水市の濕度はやや高いことから、植樹して育てることがやや容易。だが、現(xiàn)地の農(nóng)民の多くが貧困にあえいでいるため、農(nóng)民の増収が望めるリンゴのような商品作物を植えた」と、武田さんは甘粛省の植樹について知らないことはないと言ってもいいほどだ。

武田さんは數(shù)日間かけて中日友好林を再訪した。山を覆う樹木は青々と生い茂り、かつて一面を覆っていた黃土は活き活きとした緑の草で覆いつくされていた。「環(huán)境が良くなり、雨量が多くなり、山はますます緑豊かになってきた。毎回、來るたびに大きな変化が感じられる」と武田さん。

長年にわたり、甘粛省と日本の間を往復(fù)している武田さんにとって、蘭州はいまや第二のふるさとになっていると言っても過言ではなく、來るたびに必ず地元の牛肉麺を食べるのだという。

「父は蘭州を心から愛しており、私自身もその影響を大いに受け、學(xué)校を卒業(yè)後、この地にやってきた」と話すのは、武田さんの息子の武田英一さんだ。英一さんは、2年前から西北師範(fàn)大學(xué)で教鞭をとっている。英一さんも時(shí)々、父親を手伝い、日本の青少年に呼びかけ、甘粛省の大學(xué)生とともに蘭州で植樹をする活動(dòng)を?qū)g施しているという。

「中國はいま、日本を上回り世界第2のエコノミーとなった。それなのにどうして、日本人がわざわざ寄付金を募って中國に行く必要があるのか？」とする日本人や財(cái)団も多いという。その點(diǎn)について武田英文さんは、「私は植樹造林に國境はなく、地球の緑化は全人類に関わることだと考えている。地球というふるさとをより美しくするために、地球の生態(tài)環(huán)境をより良くすることは、我々の務(wù)めだ」との見方を示している。（編集KM）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年9月2日