「ヒョウタン兄弟」や「しぎと烏貝が相爭う」など中國の名作アニメの制作を手掛けた上海美術映畫製作所の胡進慶監(jiān)督が、病気のため、上海で13日に亡くなった。享年83歳。新華網が伝えた。
胡監(jiān)督は、1936年に江蘇省常州市で生まれた。1950年代以降、上海美術映畫製作所において、前後して「驕慢な將軍」、「豬八戒がスイカを食べる」、「漁童」、「人參娃娃」、「金色のホラ貝」など約40作のアニメーションの制作を手掛けた。監(jiān)督は、切り紙アニメーションを得意とすると同時に、各種アニメーションにも関わり、獨特の作風を創(chuàng)り上げていった。
1980年代、胡監(jiān)督の短編アニメ映畫「しぎと烏貝が相爭う」が、ベルリン國際映畫祭(當時の西ベルリン國際映畫祭)で一躍有名となり、最優(yōu)秀短編映畫部門「銀熊賞」を受賞した。水墨畫アニメである同作品は、中國古代の寓話仕立てで、「爭っているシギとハマグリを一度に漁師がつかまえた」という「漁夫の利」の故事成語をアニメにすることで、國內外で幅広く評価された。
その後、胡監(jiān)督ら上海美術映畫製作所の主要制作スタッフは、「ヒョウタン兄弟」の制作に攜わった。胡監(jiān)督と他の2人の監(jiān)督は、中國國內で大きな影響を及ぼしたTVアニメシリーズを共同で監(jiān)督し、「ヒョウタン兄弟」のイメージを創(chuàng)り上げた。そして今や、「ヒョウタン兄弟」は、「齊天大聖孫悟空」に続き、中國著作権市場で最も人気が高いアニメキャラクターの一つとなっている。
胡監(jiān)督は、中國の切り紙アニメーション創(chuàng)始者の一人でもある。彼はかつて、アニメーターの先駆者である萬古蟾氏と共同で、中國初の切り紙アニメーション「豬八戒がスイカを食べる」を制作した。その後、「拉毛(表面の凹凸感が活かされた立體的手法)」という切り紙の新技術を発明し、それを用いることで水墨畫の雰囲気を備えた切り紙アニメーションの制作に成功し、中國アニメーションの幅を広げることに貢獻した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年5月14日