北京では街角や公園、市場(chǎng)などでギャラリーが取り囲む中、將棋を指している老人の姿をよく見(jiàn)かける。地下鉄1號(hào)線大望路駅から徒歩で北上すること約15分、朝陽(yáng)路と西大望路の交差點(diǎn)にかかる歩道橋下の道路脇でも、炎天下にもかかわらず、真剣に將棋を指す老人たちがいた。
椅子の上に貼り付けたお手製の板の上に、日本の將棋よりもずっと大振りなプラスチック製のコマが置かれている。老人たちは、無(wú)言のままある一定のテンポで大きな音をたててコマを板に打ち付ける。それを眺めるギャラリーの中に、1人の日本人の青年がいる。その顔には、楽しそうな、愉快そうな、なんとも言えない柔らかい表情が浮かんでいる――。
中國(guó)將棋を「北京のお?dú)荬巳毪辍工趣筏仆扑]してくれたのは、160萬(wàn)枚のミリオンヒットとなったAKB48の「風(fēng)は吹いている」の楽曲をはじめ、數(shù)多くのゲーム?アニメの主題歌?挿入曲などを手掛けてきた河原嶺旭さん(25)。実は、昨年10月18日の誕生日に日本を離れ、北京で住み始めた。
―― 北京に來(lái)た當(dāng)初、話す相手もいないので、まずは何をやろうかと考えたときに、だったらまずは中國(guó)人とコミュニケーションを取ろうと思い立ちました。とは言っても、當(dāng)時(shí)は中國(guó)語(yǔ)が全くわかりませんでした。ただ僕が住んでいる家の近くで、自転車修理工のおじさんが毎日朝7時(shí)から夜6時(shí)までずっと將棋を指してたんです。
僕は小學(xué)生の頃から將棋を好きでやっていたので、しばらくは中國(guó)將棋のアプリで研究したり、おじさんが打っているのを黙って見(jiàn)ていました。そして、ある日なんとか頑張って、將棋を一緒にやりたいということを筆談で伝えました。すると、おじさんは、いいよという感じで、何も言わずに相手をしてくれて。
これが、初めて中國(guó)人の人と一緒に何かをした経験だったので、すごく印象に殘ってます。その後、初めて將棋に勝ってからは、おじさんが僕を見(jiàn)かけると必ず挨拶をしてくれるようになったのも、仲間として認(rèn)めてもらえたようですごく嬉しかったです。やっぱり將棋や音楽といった文化は、言葉よりも早く國(guó)境を越えることができる素晴らしいツールだと実感しました。
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