日本のベストセラー作家?東野圭吾の代表作「秘密」の中國(guó)語(yǔ)ハードカバー版がこのほど刊行された?！该孛堋工?、第52回日本推理作家協(xié)會(huì)賞（長(zhǎng)編部門(mén)）で推協(xié)賞を受賞し、日本語(yǔ)版の発行部數(shù)は200萬(wàn)部を超えている。そして、「白夜行」に次いで、日本の読者が選ぶ東野圭吾の人気作品2位になっている。新華網(wǎng)が報(bào)じた。

東野圭吾にとっても、初めて英語(yǔ)に翻訳され、初めて映畫(huà)化された「秘密」は、特別な思い入れがある作品だ。今月3日に開(kāi)催された「秘密」の中國(guó)語(yǔ)版刊行セレモニーでは、學(xué)者?止庵や腳本家?史航らが、同作品を読んだ感想を語(yǔ)った。

超ミステリアスな「秘密」では、ある事故が主人公?杉田平介の幸せだった生活を大きく変える。妻?直子と11歳の娘?藻奈美が乗ったスキーバスが崖から転落し、藻奈美を守ろうとした直子は死亡してしまい、しかし仮死狀態(tài)になった娘?藻奈美の身體に、死んでしまった妻?直子の魂が宿っていたという展開(kāi)で、平介を戸惑させる。その時(shí)から、奇妙な2人の生活が始まり、他の人からは普通の親子に見(jiàn)える二人だが、周?chē)欷摔蠜Qしてバレないように暮らす。

主人公はごく普通の一般人であるのに読者を魅了

「秘密」には天才探偵も、事件解明に力を注ぐ警察も、事件も、容疑者も登場(chǎng)しないが、読者をその世界に引き込み、共感を覚えさせる。東野圭吾は同作品で、普通の生活のなにげないことからストーリーを展開(kāi)させ、その主人公もとても平凡な一般人に設(shè)定している。しかし、事故が主人公の生活を大きく変え、人生そのものが劇的に変化する。娘?藻奈美の身體に、死んでしまった妻?直子の魂が宿るという非現(xiàn)実的な出來(lái)事が軸となっているものの、東野が細(xì)やかな表現(xiàn)をしているため、読者をその世界へと引き込んでいく。そして、その人間味ある表現(xiàn)が共感を呼び、それは推理小説の範(fàn)囲を超えるものだったため、大きな議論を呼んだ。

史航は、「『秘密』を読んだ時(shí)、2ページ読むごとに少しの痛みを感じた。誰(shuí)も『秘密』で描かれているようなミステリアスな出來(lái)事に遭遇したことはないが、生きている中で誰(shuí)もが痛みを感じることを経験するもの。東野圭吾のすごいところはそこで、小説の中に登場(chǎng)するごく普通の一般人が感じる心の痛みはミステリアスで、あまりに個(gè)性的、非現(xiàn)実のように見(jiàn)えるものの、実は私たちが普段感じている心の痛みと同じだ」と語(yǔ)った。

推理小説ではないのに推理小説の賞を受賞

東野圭吾は約30年の間に約90作品を書(shū)き、ここ10年、中國(guó)で2500萬(wàn)人の読者を抱えるようになっている。東野圭吾は、さまざまな作風(fēng)の作品を手掛けており、巧みなテクニックを駆使した推理小説「悪意」や「容疑者Xの獻(xiàn)身」、読者を溫かい気持ちにさせる「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「新參者」、殺人事件を描く「白夜行」、「幻夜」などがある。

しかし、彼の作家としての人生は決して順風(fēng)満帆ではなかった。1985年にデビュー作「放課後」を発表してから約10年間、東野圭吾はプロの作家として挫折を経験したが、おもしろいテーマの作品を書(shū)くという信念を貫いて、小説を書(shū)き続けた?！该孛堋工?999年夏に日本推理作家協(xié)會(huì)賞を受賞し、日本語(yǔ)版の発行部數(shù)は200萬(wàn)冊(cè)を突破している。東野圭吾は「秘密」について、「一生懸命がんばった?jī)Wへの、神様からのご褒美」と語(yǔ)っている。

「秘密」は、東野圭吾にとってもターニングポイントとなった作品だ。これが東野圭吾の出世作となり、売れ筋ランキングにランクインし、すぐに映畫(huà)化された。また、初めて英語(yǔ)に翻訳されて西洋の世界へ進(jìn)出し、いろんな國(guó)や地域のさまざまな蕓術(shù)分野の人々に注目されるようになった。

止庵は以前、微博（ウェイボー）でおすすめの東野圭吾の作品トップ10を紹介したことがあるが、もちろん「秘密」もそこに入っていた。止庵は、「東野圭吾の作品の中で、溫かい気持ちにも、複雑な気持ちにもなり、心を揺り動(dòng)かされ、読んだ後も余韻がいつまでも続くのは、『秘密』しかない」と評(píng)価している。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2017年12月7日