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2014年10月28日  
 

中日対訳健康知恵袋 企畫集 北京のお気に入り

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<北京のお気に入り>時代の狹間に取り殘された異空間 民國の舊政府跡

人民網(wǎng)日本語版 2014年10月03日14:29

地下鉄5號線の張自忠路駅A出口から西へ50メートル程向かうと、辺りの景観の中でひときわ異彩を放つ、重厚で壯麗な西洋建築が目に入る。この建物こそ、百年の風(fēng)雨と世の変転を経て今に殘る中華民國(1912~1949)時代の歴史的建築物、段祺瑞執(zhí)政府跡だ。

ここには、もともと清の第4代皇帝?康煕帝(1654-1722)の第9皇子?允禟の邸宅、恭親王府(後に貝勒斐蘇府と改稱)と第5代皇帝?雍正帝(1678-1735)の第5子、和親王弘晝の和親王府があった。しかし、1906年、舊清朝北洋政府陸海軍部の建物を作るため、東側(cè)にあった和親王府と西側(cè)にあった恭親王府が取り壊され、新しく2組の西洋式レンガ?木造構(gòu)造の建造物が建てられた。

その後、1912年、袁世凱が中華民國臨時大統(tǒng)領(lǐng)に就任した際、総統(tǒng)府と國務(wù)院がここに置かれ、1924年の第2次直奉戦爭(中華民國における直隷派?呉佩孚と奉天派?張作霖との間に起こった軍閥戦爭)後に段祺瑞執(zhí)政府に転用された。中國では、1926年3月18日、段祺瑞政府軍が抗議運動で集まったデモ隊に発砲し、47人の學(xué)生?市民が犠牲になった「三?一八」事件の現(xiàn)場としても知られている。また、日中戦爭時の1937年には、日本の華北駐屯軍総司令部が置かれた。

3階建ての美しい古典ヨーロッパ式の建築物はクリエーターの創(chuàng)作意欲を大いに刺激するのか、ここでは多くのドラマや映畫が撮影されている。特に、中國映畫ファンにとって馴染み深いのは、文革時代の少年たちを描いた、姜文(ジャン?ウェン)監(jiān)督のデビュー作「太陽の少年」(94/原題:陽光燦爛的日子)だろう。主人公シャオチュンが他人の部屋にこっそりと入り込み、住人の美しい少女と鉢合わせになるシーンの舞臺となったのが、この洋館だった。また、シャオチュンが、洋館の屋根から屋根をつたって、自由気ままに空中の散歩を楽しむシーンは映畫の中の名シーンの一つだ。

この段祺瑞執(zhí)政府跡を<北京のお気に入り>として推薦してくれたのは、デビュー作「吾輩ハ貓ニナル」で第57回群像新人文學(xué)賞を受賞すると同時に、今年6月に発表された第151回芥川賞候補にも選ばれ、一躍話題の人となった橫山悠太(33)さんだ。

――僕、散歩が好きなんですよ。初めて訪れた日も、この辺りを全く何も知らずにぶらぶら散歩していたら、突然古い洋館の建物が外から見えて、面白そうだなと思って、中に入ってみました。すると、とても奇妙な、取り殘されたような空間があって、裏にある洋館には人が住んでいました。ちゃんと保存されていないのですが、だから面白い。まるで密封された異空間に入り込んだような気がしました。

ここまで歴史的な建造物の場合、日本や、上海だと、政府や地方自治體が動いて、保存したり、改裝したりと、お金を取って公開しますよね。でも、それによってどうしても殘念な結(jié)果になってしまったりもする。そういう意味では、この建物は風(fēng)雨にさらされるままに殘っているということに、とても価値があると思います。

その後も何回かここに來て、敷地內(nèi)にある花生珈琲館でお気に入りのピーナッツ珈琲を飲んだりしています。時々、幽霊屋敷のようなこの洋館にふさわしい老貓を見かけます。僕は貓が好きなので、それも楽しみの一つですね。


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